6. 事務所の探し方

オンラインでの活動が中心の Public Mind

もともと、私たち Public Mind の活動はほとんどオンラインで完結していました。自宅などからインターネットに接続してオンラインミーティングを行い、必要な作業内容はオンラインサーバーに共有し、適宜オンラインチャットでコミュニケーションを取りながら進めていきました。活動を進めるうえで「リアルの事務所」は必ずしも必要はありません。

しかし、NPO法人設立認証と登記には事務所が必要です。所在地に近い法務局で登記を行いますし、事務所の所在する自治体に、法人住民税などの納税も行うことになります。現行法においては必ずどこかに事務所を構えなければなりません。

登記に必要な事務所をどこにするか

では、どこに事務所を置くか。

例えば自治体によってはNPOに対する補助金提供や連携協働などの施策を行っているケースがあります。こうした施策も見ながら自分たちの組織にも、その地域となる自治体にとっても相互に利する場所に事務所を構えるのもよいかもしれません。

内閣府NPOホームページ 自治体ごとのNPO施策情報

もちろん、実務を考えれば活動しやすい場所のほうがよいです。私たち理事の多くは都内近郊に在住していることを考えると東京都内がよさそうです。

そこで、都内で事務所を探していくことにしました。

選択肢① 自宅を事務所に

理事の自宅を事務所にしてもよいかもしれません。
現状の活動内容を考えれば、必ずしも店舗が必要ではなく、商品や在庫が発生するわけでもないので、初期費用を抑える上で自宅を事務所にすることも可能です。

しかし、登記をはじめ法人事務所の情報は公表されることになりプライバシー上の問題があります。

自宅ではなく別の場所で事務所を構えられないか模索を始めました。

選択肢② シェアオフィス・コワーキングスペース

最近は、働き方改革や新型コロナ感染拡大もあってテレワークが急速に普及してきました。大手企業の一部は一等地のオフィスをやめて、従業員が住む街の近くなど点在するシェアオフィス・コワーキングスペースを活用するケースも増えてきたように思います。

例えばこんなイメージ。(フリー素材のぱくたそから)

 
 

「優雅にコーヒーを飲みながら、周囲の方々と空間だけでなく情報等もシェアしながら、クリエイティブ、イノベイティブに活動をしている感じ」

素敵なイメージがどんどん湧いてきます。

「シェアオフィス、カッコいいし、いいかもしれないね」

私たちも妄想ですごく盛り上がりました。

しかし、いまのところ私たちの活動の多くはオンラインで完結しています。周囲の方々とのコミュニケーションは素敵ですが、必ずしもこうした「コワーキングのスペース(共用スペース)」が必要ではありません。

何より、こうした共用スペースの充実したオフィスは、相応に月額費用も高くなります。例えば外資系のシェアオフィスだと、法人登記可能な利用形態で月額が約6万円でした。私たちの当面の事業規模や活動スタイルを考えると、少し背伸びし過ぎかもしれません。

そこで

「お財布のことを考えながら選んでみよう」

と心に決めて、選択の幅を広げることにしました。

選択肢③ 自治体が運営するインキュベーション施設

次に調べたのが、「自治体が運営するインキュベーション施設」でした。
シェアオフィスやコワーキングスペースのように、共用スペースが充実しているけど、自治体が運営していれば低額になるのではないか、という読みがありました。

例えば東京都の場合、80を超える東京都認定のインキュベーション施設があります。

認定インキュベーション施設|インキュベーションオフィス

たしかに外資系のシェアオフィスなどと比べればかなり費用が抑えられていましたが、私たちの事業規模からすると少し高い。

「やっぱりもう少し安いほうがいいよね」

とさらに選択の幅を広げました。

選択肢④ バーチャルオフィス・レンタルオフィス

さらに調べたのが「バーチャルオフィス・レンタルオフィス」でした。

「法人登記に必要な住所さえあればよい」

と割り切って、実際のオフィス空間はほとんどない「バーチャル」なオフィス形態です。

例えば私たちが実際に行ってみたバーチャルオフィスはこんな感じ。

 
 

シェアオフィス・コワーキングスペースのような共用スペースは一切なく、予約制で利用できる会議スペースの部屋がただ並んでいるイメージです。ビルの入り口には、共通の郵便受けがあるので、必要な時には受け取れるようです。

検索しながら比較検討した結果がこちら。

 
 

月額は最安で1,650円のところから数千円まで。ただし郵便受取、電話転送などの付属サービスなども合わせて費用を考える必要がありそうです。

名刺などに「都内の一等地の事務所」を書ける

ということを考えれば、有望な選択肢かもしれません。

最終的には長年の御縁で事務所を選びました。

選択の幅を拡げながら、様々な事務所を探してきました。金銭的に余裕があれば、選択肢②シェアオフィスやコワーキングスペースはとっても魅力出来でしたが、やはり無い袖は振れません。

実は調査と並行して、人のつながり・コネクションも使いながら事務所探しを続けていました。最終的には、私たちの学生時代からの御縁を通じて、都内の事務所を間借りさせていただくことができました。

ようやく法人らしくなってきました。

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